炭素繊維複合材料(CFRP)は旅客機の期待構造への適用が急速に進んでいますが、雷が直撃した場合、従来の金属材料に比べて大きなダメージを受けるという課題があります。また、我が国の日本海側で冬に発生する雷は世界でも非常に珍しい現象で、一般的な夏の雷と比較して数10倍から100倍もの強度を持つことがあります。
WEATHER-Eyeコンソーシアム傘下の研究グループでは、導電性を持つ樹脂を使うことにより雷に強い炭素繊維複合材料の開発を進めています。雷が直撃した際の電流をスムーズに流すことによって、機体構造のダメージを抑えることができます。
今回、雷を模擬した高エネルギーの放電を発生する装置によって、この材料の実証試験を行いました。試験の結果、一般的な炭素繊維複合材料に比べて雷が直撃した際のダメージを大幅に抑えられることが確認できました。